医療法人社団五色会

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〒762-0023 香川県坂出市加茂町963番地
TEL/0877-48-2700 FAX/0877-48-2886

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こころの医療センター五色台
精神科デイ・ナイト・ケア

五色台クリニック


■施設長あいさつ 松下智樹
 2014年2月にデイ・ナイト・ケアに施設長として赴任してきました。利用者様に『また来たい』、もしくはそのご家族様に『この施設なら』と思ってもらえるような施設を目指し、利用者様と数年の歳月をともに過ごしてきました。日々、利用者様の人生と向き合い、悩み、迷い、時に厳しい言葉をいただきながら施設の在り方を模索し、前を向いて進むことも忘れることなく歩んできました。

 居場所としての施設の在り方だけに捉われずニーズに柔軟に対応できる施設で在りたいと思っています。プログラムは非常に多い実施数であると自負しており、利用者様の活動性が高まるようニーズを把握し、プログラムにも積極的に反映させています。

 この度、改修工事も終了し、新しい体制でのスタートとなります。戸惑うこともあれば苦しいこともあるのが人生であり、それは利用者様もスタッフも同じです。それ以上に楽しいことがあるよう、立ち止まることなく前進していきたいと思っています。限界設定をせず常に挑戦する精神で、スタッフだけが満足する施設ではなく、利用者様にとって意味のある施設としての在るべき姿を常に考え続け、利用者様だけでなく、ご家族様にも、当施設の利用によって彼らの人生に笑顔が増えることを願っています。

■デイ・ナイト・ケアの紹介
自宅や施設などの地域で生活している精神障害者や認知症の方が過ごす居場所であるとともに生活リズムの獲得・確立、精神症状の安定・維持を第一に取り組んでいます。さらにその先を目指す利用者様にも対応できるようなプログラムや体制を準備しています。利用日や利用時間は、主治医やデイ・ナイト・ケアのスタッフと相談し決定します。こころの医療センター五色台以外の病院・クリニックに通院している利用者様でも利用することができます。利用者様のペースで希望や目標に寄り添い、ニーズに応えていくことができる対応を心がけています。
 デイ・ナイト・ケアは以下の3つの施設で運営しています。利用者様の希望や特性に合った施設を利用していただきます。
  プルミエ(病院西隣)
   活動性の高い利用者が対象
  ファミーユ(病院4階)
   年齢層の高い利用者が対象
  オリバ(病院西隣)
   認知症を含む高齢の利用者が対象

◆実施日
月曜日から金曜日(祝日、年末年始、お盆はお休み)

◆実施時間(下記の時間から3時間以上)
 プルミエ 8:15〜18:15
 ファミーユ 8:15〜18:15
 オリバ 7:00〜19:00

◆定員
 プルミエ 100名
 ファミーユ 70名
 オリバ 50名

◆送迎
送迎を希望される方には送迎を実施しています。
基本的に県内全域をカバーしています。

◆スタッフ
看護師、精神保健福祉士、作業療法士、管理栄養士など

◆プログラム
一日を通して20程度のプログラムを実施しています。その中から興味のあるプログラムに参加してもらうようになりますが基本的に参加は自由です。

◆食事
昼食と夕食を提供できます。

◆論文
論文題名:地域の中で多様性あるデイ・ケアを 〜選ばれるデイ・ケアを目指して〜
執筆者(職種):
  @松下智樹(精神保健福祉士)@上林まき(管理栄養士)
  @津崎裕也(作業療法士)@脇田和弥(作業療法士)@山上大輔(作業療法士)
  @安西博章(作業療法士)A小早川陽子(作業療法士)A南哲平(作業療法士)
所属:  @医療法人社団五色会 こころの医療センター 五色台
     A医療法人社団五色会 坂出メンタルクリニック
連絡先: @762-0023 香川県坂出市加茂町963番地
     A762-0032 香川県坂出市駒止町1-3-5(ライフスクエア坂出2F・3F)
電話番号:@0877-48-2700 A0877-45-7672

1. はじめに

当施設は、日本で最も小さな県である香川県の北部のほぼ中央に位置する瀬戸内海に面した坂出市(人口約52,000人)にある。
1978年9月に母体である五色台病院(現、こころの医療センター 五色台)が開設され、1999年4月に精神科デイ・ナイト・ケアが開設された。
2006年7月にはサテライトクリニックである坂出メンタルクリニック併設の精神科デイ・ケアが開設され、2011年12月には重度認知症デイ・ケアを開設した。
2017年11月には地域の中核病院としての機能の役割を担うべく、病院の名称を「五色台病院」から「こころの医療センター 五色台」(以下医療センター)へ変更した。
デイ・ナイト・ケア、デイ・ケア、ショート・ケア(以下デイ・ケア)の在るべき姿を模索しながら、利用者にもその家族にも選ばれ、必要とされるデイ・ケアを目指して運営してきた。現在のデイ・ケアの現状や取り組み、今後の課題などを主に医療センターのデイ・ナイト・ケアを中心に報告する。

2. 坂出市内の精神科関連機関

上記の当法人の施設以外に坂出市内には総合病院精神科、単科精神科病院、精神科クリニック、精神科デイ・ケアがそれぞれ1機関ずつ存在する。

3. 当法人デイ・ケアの概要

1999年4月に五色台病院(現、医療センター)に精神科デイ・ナイト・ケアが定員30名で開設され、現在では定員220名(70名、50名、50名、50名)で運営している。
また、2006年7月に坂出メンタルクリニックに精神科デイ・ケアが定員30名で開設され、現在では定員44名で運営している。2011年6月には重度認知症デイ・ケアが定員25名で開設され、同年12月に坂出メンタルクリニックに移転し、現在に至る。

4. 医療センター デイ・ナイト・ケアの概要

医療センターのデイ・ナイト・ケアは3つの施設(プルミエ・ファミーユ・オリバ)に分かれて運営している。大まかな基準を設定はしているものの細かい基準は敢えて設定せず、利用者が過ごしやすい環境での利用環境を提供している。大まかな基準設定は以下の通りである。
プルミエ: 比較的若く、自立度・活動性が高い。将来的には自立もしくはステップ
      アップを目指せる。
ファミーユ:比較的高齢で、自立度・活動性が低い。現状維持もしくは能力低下の
      速度を緩める。
オリバ:  認知症を含めた高齢者で、自立度・活動性が低い。介護保険利用が見込
      まれる。

5. 法人理念とデイ・ケアの方向性

法人理念は「全ての患者様に笑顔と希望を届ける」である。利用者には笑顔でデイ・ケアを利用して欲しいと考えている。デイ・ケアは楽しい場であり、参加することが楽しみになるような施設で在りたいと思っている。利用目的や利用に至る経緯、利用に対する意識や意欲は全てケースバイケースであると考えており、利用者に合った形で施設側が柔軟に変化していく、変化していけるよう心がけている。

6. プログラムと職員配置

プログラムは非常に多い実施数であると自負しており、利用者の活動性が高まるようニーズを把握し、プログラムにも積極的に反映させている。プルミエ・ファミーユでは一日20程度のプログラムを実施しており、多い時で同じ時間帯に6つのプログラムを実施している。それに伴って、職員配置も施設基準の2倍近い配置となっている。施設基準では、14名であるが実際には26名の配置となっている。内訳は作業療法士7名、看護師7名、精神保健福祉士・臨床心理士・管理栄養士9名、看護補助者(パート含む)2名である。

7. 利用者の見学の際の工夫

見学に来られた際に、敢えて見学者全員に話を振り、見学者の関係性を探りつつ、それぞれの立場や考えや意向も聞き、それぞれのニーズを知り、利用の際の対応に生かせるよう心がけている。

8. 利用者の受け入れ

多くの利用者は利用開始前に見学に来る。原則、利用を希望する利用者の受け入れは断らない。利用者にとって、施設がどのような施設であれば利用することができるかを考え、受け入れることを前提に見学から受け入れまでを行っていく。ただし、基本的には気が向いた時に利用するという扱いのものではなく、決められたプログラムに基づいて定期的な利用を前提としており、デイ・ケアの利用が非日常的なものとならないよう習慣としての利用を求めている。

9. 立地と送迎

医療センターのデイ・ナイト・ケアは最寄の駅から田園の中を15分程度歩いたところにあり、利用者が継続して自力で参加することが難しい場合があるため、送迎を実施している。送迎範囲は香川県全域と謳っており、現在では送迎を利用する最も遠方の利用者は距離にして30〜40km、時間にして1時間程度となっている。
送迎さえあれば利用が可能となる利用者には送迎の利用を勧め、積極的に利用してもらっている。

10. 利用の目的

生活リズムの獲得・確立、精神症状の安定・維持を第一に取り組んでいる。さらにその先を目指す利用者にも対応できるようなプログラムや体制を準備している。
家族にとって当施設のデイ・ケアの利用が安心に繋がることも利用の目的の1つと考えている。
医療機関併設のデイ・ケアという病院に最も近い場所でありながら、デイ・ケアの利用が利用者にとって入院に最も遠い存在になってほしいと思っている。結果、利用者・家族の安心に繋がるということが理想である。

11. プログラムの実施数と参加率

プログラムの作成において、当然、利用者の希望を聞きながらニーズの高いものを採用していく一方で、少数意見の採用も積極的に行っていく。参加率が高いプログラムが必ずしも良いというわけではなく、少人数のプログラムを望む利用者に対してのプログラムも準備している。
また、プログラムについて原則、参加は自由でもあるが、その一方で、デイ・ケアという精神科リハビリテーションの治療の場において、利用者によっては参加が望ましいプログラムもあり、その都度、参加を促している。

12. プログラム(就労支援)

就労支援施設への前段階のような位置づけとして、「就労支援」と呼んでいるプログラムが4つ存在する。希望する利用者に参加してもらい、就労へのステップとする狙いがある。内容は以下の通りである。
洗車・・・・・・法人車輌2台を利用者3〜4名で1時間かけて洗車する。週2回。10名
        程度でシフト制。
車椅子清掃・・・病棟の車椅子4台を4名で1時間かけて掃除する。週1回。5名程度で
        シフト制。
カフェ作業・・・施設内のカフェの開店準備や閉店作業を利用者各2名で各1時間かけ
        て掃除や片づけをする。平日は毎日。10名程度でシフト制。
牧場清掃・・・・併設の牧場(セラピーガーデン)のポニー2頭の小屋の掃除やポニー
        のブラッシングなどを利用者3名で1時間かけて実施する。週2回。
        5名程度でシフト制。

13. 小規模なイベントプログラムの定期的な実施

毎月1〜2回程度、主に集団生活や大人数での場所が苦手なため、現状では定期的な利用が難しい利用者に対して、スタッフとマンツーマンに近い形での外出プログラムを実施し、月に1回でも家族と離れて過ごしたり、自宅から外出する機会を提供している。

14. プログラムを通しての利用者との関わり

あらたまって利用者とスタッフが膝を突き合わせて面談することも必要であるが、毎日のように顔を合わせる利用者とスタッフ間で自然とコミュニケーションをとりやすいのがプログラムを通してのコミュニケーションだと考えている。そういった意味でも様々なプログラムを実施し、プログラムがコミュニケーションのきっかけにもなればいいと考えている。

15. 定期的なケア会議の開催

6ヶ月毎に、本人、家族、主治医、デイ・ケアスタッフ、グループホームスタッフ、就労支援施設スタッフ、訪問看護スタッフ、外来看護師、特定相談支援事業所スタッフ等を集めてケア会議を開催し、6ヶ月間の振り返りや今後の目標等について話し合いを実施している。定員220名の施設でありながら、本人、デイ・ケアスタッフのみならず、主治医も時間を割いて必ず参加している。主治医とは1ヶ月前から事前に予定を調整し、主治医参加のもとケア会議を開催している。

16. 常識ある行動を

廊下や路上に座り込んだり、不衛生な身なりなど一般社会では非常識とされながらも精神科病院や精神科施設の中だけでは一部で通用し、許されてしまうこともある世界や価値観にスタッフが慣れてしまい、「いつものことだから」と思って、見逃してしまうことがある。しかし、それは利用者にとって不利益になってしまうということをまずはスタッフが再認識し、利用者の迷惑行為や非常識な行動は繰り返し指導をしていきたい。

17. デイ・ナイト・ケアでの利用継続

デイ・ナイト・ケアでの10時間の利用は利用者にとって決して楽ではないことはスタッフとしても理解している。しかし、デイ・ナイト・ケアでの利用を継続できている利用者は、デイ・ケアやショート・ケアの利用者より様々な面で今後の社会生活において可能性が広がっている場合が多いと考えている。ショート・ケアの時間しか過ごせなかった利用者がデイ・ケアの時間を過ごせるようになり、その後、デイ・ナイト・ケアの時間を過ごせるようになることは、そういうことだと捉えている。 今後、デイ・ナイト・ケアの利用者は減り、デイ・ケアやショート・ケアの利用者が増えていくかもしれないが、デイ・ナイト・ケアの必要性や魅力をスタッフ自身がもっと理解し、必要な利用者にデイ・ナイト・ケアでの利用を提供していきたい。

18. 今後の目標

居場所としての施設の在り方を変わることなく大切にしてきた。居場所以外の施設の在り方も常に模索し、イベントプログラムや就労支援などのプログラムも実施してきた。更なる多様性あるデイ・ケアを目指していきたい。
利用者に過度のステップアップを期待し、求めることは非治療的であると考えているため、利用者のペースで希望や目標に寄り添い、ニーズに柔軟に対応できる施設で在ることを心がけていきたい。
大げさかもしれないが、当施設のデイ・ケアがあって良かった、安心した、と言っていただけるような存在になりたい。

19. 今後の課題

就労施設等の利用に至らなかった利用者や、利用継続が難しかった利用者を関係機関と連携し、きちんとデイ・ケアでフォローしていける受け皿としての役割を感じている。関係機関との連携のための関係作りは短期間では難しく、時間をかけて取り組みたい。
プログラムへの参加が少ない利用者への声かけ、他利用者との関わりが少ない利用者への声かけ、不調にも関わらず不調を訴えてこない利用者への気付き、など全てのスタッフができるわけではない。システムとしての関わりも1つの選択肢として考えていきたい。
清潔面について、入浴や更衣などを頑固に嫌う利用者に対しての個別的な関わりに時間を要するため、対策や改善策が思うように進んでいないのが現状であり、喫緊の課題であるが、突破口は明るくない。
スタッフの専門性よりも利用者が楽しく過ごせる居場所に重点を置いてきた。様々な年齢や疾患の利用者がいる中で機能分化、スタッフの専門性なども直面している大きな課題である。そのためにはスタッフの専門性の向上はもちろん、施設内での各職種の役割分担の見直しも必要だと考えている。

20. 想い

時に利用者の死を経験し、その葬儀では必ず涙を流してしまう。半分は自分自身に対する悔しさである。彼らの死を無駄にすることのないように、その悔しさを忘れることなく日々、歩を進めていきたい。失敗することもあるが、正解はない、という意識で落ち込むことはあっても折れることなく、腐ることなく、挑戦や改善をしていきたい。限界設定をせず常に挑戦する精神で、スタッフが満足する施設ではなく、利用者にとって意味や意義のある施設としての在るべき姿を常に考え続け、利用者だけでなく家族にも当施設のデイ・ケアの利用によって彼らの人生に笑顔が増えることを願っている。

21. 最後に

2014年2月にデイ・ケアの施設長として赴任した。利用者やその家族に「選ばれる」施設を目指し、利用者と数年の歳月を過ごしてきた。 日々、利用者の人生に向き合い、悩み、迷い、時に厳しく指導をすることもあれば、逆に利用者から厳しい言葉をいただきながらも施設の在り方を模索し、前を向いて進むことも忘れることなく歩んできた。
戸惑うこともあれば苦しいことがあるのが人生であり、それは利用者もスタッフも同じである。それ以上に楽しいことがあるよう、立ち止まることなく前進していきたいと思っている。


◆施設
プルミエ
プルミエ

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